環境対応の推進

東洋水産グループでは、事業活動による環境負荷の低減に考慮した取り組みの推進など、環境を保全するための取り組みを実施しています。

環境目標


2030年度東洋水産グループ環境目標・実績

2030年度目標 2022年度実績
CO2排出量
(原単位)
20%削減 10.5%削減
産業廃棄物
(原単位)
15%削減 22.4%削減
産業廃棄物の再資源化率 99.5%以上の維持 99.9%
フロン漏洩量
(CO2換算)
85%削減 45.4%削減
水使用量
(原単位)
10%削減 12.7%削減
認証パーム油への代替 100% 81.1%

主要取扱魚種
(魚卵・鮭鱒・海老)の

MSC等漁業認証原料取扱い

70% 74.1%


※対象は国内グループ全体(ただし、認証パーム油への代替目標は国内外グループ全体)
※原単位は国内連結売上高を基準として算出
※基準年度は2018年度
※CO2排出量の対象範囲はSCOPE1、SCOPE2及びSCOPE3の一部(自社商品配送に伴う排出量)
※CO2排出量算出の根拠
 電力:電気事業連合会2009年度実績に基づく使用端CO2排出原単位(0.351㎏-CO2/kWh)を使用
 電力以外:温対法の換算係数を使用
 使用冷媒:環境省「フロン類算定漏えい量の算定・報告に用いる冷媒種類別GWP一覧」を使用

気候変動への適応とその緩和

貢献するSDGs

気候変動に関連する環境負荷の低減に向け、生産活動だけではなく、資材調達や物流においても使用資材の減量やCO2排出量の削減など継続的に取り組みを実施しています。また、工場では、発生した食品残渣の肥料化や飼料化、冷蔵倉庫ではフロン冷媒の漏洩量の削減に向けた取り組みや使用済みの包材の有価物化などを進めています。新規施設の設計、建設にあたっては、稼働後の環境への影響も配慮しています。

・CO2削減への取り組み

排出量削減に向け、設備面ではボイラー燃料の重油から天然ガスへの転換、省エネタイプの高効率機器の導入やLED照明への切り替えなどを実施し、一部事業所では太陽光やバイオマス発電で作られた電力などの再生可能エネルギーを利用しています。運用面では、製造機器や冷凍機の効率的な運転や、事務所での不要時の消灯、エアコンの温度設定の徹底、エコドライブの推進などを実施しています。そして物流面では、モーダルシフトの推進、需給予測の向上などに取り組んでいます。

フクシマフーズ屋上の
太陽光パネル

・フロン漏洩量削減への取り組み

2015年に施行された「フロン排出抑制法」に対応し、各事業所においては冷凍冷蔵機器及び空調機器の点検・整備を徹底し、温暖化への影響の大きいフロン冷媒の漏洩防止に努めています。
また、冷蔵倉庫においては、温暖化への影響が少ない自然冷媒機器への切り替えを計画的に進めています。原則として新規導入する機器の100%を自然冷媒機器にする計画です。

生物多様性の保全

貢献するSDGs

水産食品事業は当社創業の事業であり、海洋資源の保全は重要な使命の一つだと考えています。河川や海岸の清掃活動をはじめ、様々な取り組みを行っています。

・稚魚放流活動

1996年より静岡県賀茂郡西伊豆町田子地域の海で、水産資源の保護・育成と水産業や観光業における地域活性化の一助となることを目的として、稚魚放流活動を行っています。カサゴやヒラメなど、約42万匹の稚魚を放流してきました。毎年、近隣住民の皆さんや西伊豆町の園児にご参加いただき、カサゴなどの稚魚を海に放っています。放流に先立ち、園児を対象として「かつお節について」と、静岡県水産・海洋技術研究所による「カサゴについて」の食育講座も実施しています。

稚魚放流活動の様子

・ウナギの養殖研究

グループ会社である(株)いらご研究所では、1996年の設立以来、ウナギの完全養殖の研究に取り組み、2010年には「いらご研究所で生まれた仔魚を親魚まで育てて産卵させ、次世代の仔魚を得る」というウナギの繁殖サイクルの確立に成功しました。 現在、量産化・事業化に向けて取り組んでいます。
詳しくはhttps://www.maruchan.co.jp/csr/society/unagi.html

・ビオトープの設置

関東工場では、工場周辺の地域の生物多様性の保全を目的とした「ビオトープ」を設けています。地元館林を流れる谷田川に近い環境が保たれているとのことから専門家に指導いただき、自生している絶滅危惧種の「マツカサススキ」の他、絶滅危惧種の「チョウジソウ」「フジバカマ」の苗をお預かりし、大切に育てています。

ビオトープ見学会の様子

水資源の保全

貢献するSDGs

東洋水産グループの事業に「水」は欠かすことのできない大切な資源です。そのため、東洋水産グループでは、 持続可能な水資源利用を環境対応の推進における取り組みテーマのひとつとしています。

埼玉工場の放流先流域の池

・各工場での取り組み

東洋水産グループの各工場では、水の使用量や排水量を継続的に管理し、使用量の削減に努めるとともに、工場からの排水を微生物処理により浄化して排出しています。埼玉工場では設備の運用方法の改善により、生態系への影響が無いよう排水の温度を下げるなどして、環境への負荷を小さくしています。また、フクシマフーズ㈱では節水および排水削減への取り組みとして、排水処理の管理方法の見直しや製造工程の冷却水の循環による再利用、洗浄用ホースへの節水ノズルの取り付けなどを行っています。その他、関東工場では雨水をトイレの洗浄水に利用することで、水の使用量を削減しています。

産業廃棄物の削減・管理

貢献するSDGs

廃棄物の削減・管理強化は、環境負荷及びリスクの低減に向け、従来より省エネ(CO2削減)と並ぶ重要テーマと認識し取り組んでいます。

廃棄物の排出量削減に向けた製造ロスの削減、有価物化の推進といった取り組みに加え、分別の徹底や処分方法の変更を推進し、2009年度以降、再資源化率は99.5%以上の水準を維持しています。また、産廃処理業者への定期的な現地確認を行い処分状況を把握するなど、不法投棄等廃棄物リスクの低減に向けた取り組みも行っています。

廃棄物処理施設の視察

食品ロス削減

貢献するSDGs

東洋水産グループは食品を取り扱う企業の責任として食品ロスの削減に取り組んでいます。国内事業の生産・流通・消費それぞれの段階で貢献できる活動を商品を通して進めています。

・フードバンクとの取り組み

企業等から提供された食品を、生活困窮者や児童養護施設等に供給するフードバンクの活動に賛同し、商品提供を実施しています。この活動を通じて、品質確認等で品質に問題がないにもかかわらず廃棄される商品の削減と地域社会への貢献を行っています。

フードバンクへの納品の様子

・賞味期限の延長

食品ロスの削減に向けた取り組みとして、科学的な保存試験データの検証を行い、商品の賞味期限の延長をしています。また、一部の商品については賞味期限の延長と並行して期限の年月表示も行っています。これらの取り組みは、店舗や家庭で賞味期限切れにより廃棄されてしまう食品ロスの削減につながります。

賞味期限の延長商品

Smiles for All.すべては、笑顔のために。